岩手県で災害リスクが減らせる土地の探し方
2025.04.23
2025.04.23
この度は、陸前高田市・大船渡市山林火災で犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈りします。また、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、避難されている方々の安全が確保されますよう一刻も早い復興をお祈り申し上げます。我々は住まいの情報提供で災害リスクを減らす支援が出来たらと思い、「岩手県で災害リスクが減らせる土地の探し方」のテーマで記事を作成いたしました。
日本で2番目に広い県土を有する岩手県。海や山、川など豊かな自然を残し、さらに温泉、歴史、文化、グルメなど、岩手県にしかない魅力がたくさんあります。しかし、岩手県は自然災害が多い地域でもあるため、土地探しが難しいという懸念があります。そんな岩手県で安心・安全に暮らすためには、「安心して暮らせる土地を見つけること」が大切です。
近年、地球温暖化に伴う猛暑や台風、豪雨が増加し、全国的に災害のリスクが高まっています。そのため、安全な土地に住めることは「当たり前」ではなくなってきているのです。
そこで今回の記事では、「災害リスクが減らせる土地の選び方」をわかりやすくお伝えします。土地選びのポイントや注意点をしっかり把握して、今後の家づくりに活かしていきましょう。
多くの方は「家族が安心・安全に長く暮らせること」を願ってマイホームを建てるでしょう。これを実現させるためには、土地を購入する前に知っておいてほしいことがあります。
ここでは、土地を購入する前に知っておくべき3つのことをお伝えします。
それでは、順番に見ていきましょう。
まずは、岩手県でこれまでに起きた過去の災害履歴を確認してみましょう。以下は、2000年以降に起きた岩手県の自然災害の一例です。

自然災害は、特定の条件(素因と誘因)が揃う場所で発生します。そのため、一度自然災害が起きた場所は「同じ被害に遭いやすい」と考えられます。例えば、過去に河川の氾濫によって土砂が堆積した土地は、今後も氾濫が起きやすい土地と言えます。また、過去に土砂災害や津波が起きた場所もそのような性質を持つ土地であり、同じ被害に遭う可能性が高いということです。このように、過去の災害情報を知ることは防災対策に役立ちます。実際に被災した場所には、「自然災害伝承碑」という石碑が建てられていることがあるため、過去にどのような災害が起きたのかを知る手がかりになるでしょう。
自然災害は人がいない場所で起こればただの自然現象に過ぎません。しかし、「人が住む場所」に起これば、甚大な被害をもたらす可能性があります。自らの命と家族の命を守るためにも、ハザードマップを用いて土地に潜む災害リスクを確認しましょう。
ハザードマップは災害ごとに作成されているため、それぞれの危険性を把握することができます。例えば、洪水、土砂災害、津波、高潮、火山、地震などがあります。多くの自治体はホームページ上で公開していますが、市役所の窓口で防災冊子として受け取ることも可能です。また、国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト」でも確認できます。
マイホーム建築予定の方は、ハザードマップに住所を入力すると地図上で災害リスクを確認することができます。建築予定地にどのくらいの危険性があるのかあらかじめ把握しておくことで、建築場所を変更したり、災害対策を考えたりすることができるでしょう。
なお、2020年に宅地建物取引業法が改正され、不動産取引時において水害に関するハザードマップを掲示して事前説明することが義務化されました。災害はいつどこで起きてもおかしくないという意識を持ち、災害リスクに備えましょう。
災害時はインターネットが使えなくなる可能性があります。家族のなかに高齢者や小さな子どもがいれば避難に時間がかかるため、あらかじめ避難場所を確認しておきましょう。避難場所や避難経路もハザードマップで調べることができます。また、災害時に家にいるとは限らないため、学校、職場などの帰宅経路の安全性も確認しておきましょう。
住まいの安全性を考えるなら、地盤の強い土地を選ぶことが重要です。万が一、軟弱地盤の土地の上に家を建てると、自然災害の影響で家が傾く可能性があります。そこでここからは「軟弱地盤」を見分ける方法についてお伝えします。ポイントは以下のとおりです。
土地を購入する前に、しっかりと知識を身に着けておきましょう。
東日本大震災のあと、各地で「液状化現象」が発生し問題となりました。液状化現象とは、ゆるく堆積した砂地盤に、強い地震動が加わることで地層自体が液体のように流動化すること。特に、海に近いエリアで発生しやすく、埋立地、砂丘、砂洲の間の低地では注意が必要です。さらに、液状化した土地は、建物の重さに耐えられなくなり次第に沈んでいきます。これが「地盤沈下」です。一度地盤沈下が起きると、その修復には多額の費用と時間がかかるため、家庭には大きなダメージとなるでしょう。また、地盤が弱い土地は「地震の揺れが増幅しやすい」といった注意点もあります。このように地盤の弱い土地は、地震や台風、大雨などの自然災害が発生した際、甚大な被害を及ぼす危険性があるため注意が必要です。
日本全国には様々な地名がありますが、一説によると、地名は地形の特徴や形状から名付けられたと言われています。そのため、水、川、田、谷、池、泉、沢、浜など、「水」を連想させる漢字が含まれている場所は、もともと湿地帯だった可能性があります。岩手県でも、川貫、沢田、高浜、清水、岩泉など、水に関する地名は多く存在しています。また、蛇、竜、龍、牛、などが使われている地名は、過去に大規模な土砂災害が発生している可能性があります。
なお、地名は改名することができます。宅地造成後に新しい名前を付けられている地域では、以前の地名を変更していることもあるでしょう。よって、地名をそのままの意味で受け取らず、過去の地名を調べることでその土地の本当の特性が見えてくるかもしれません。
地盤が弱い地域では、以下の兆候が表れる可能性があります。
複数箇所に兆候が見られる場合は、軟弱地盤である可能性が高いため注意が必要です。気になる土地が見つかったら周辺をよく観察し、上記のような現象が起きていないかチェックしてみましょう。
住宅瑕疵担保責任保険(新築住宅に瑕疵があった場合に、補修等を行った事業者に保険金が支払われる制度)の加入条件として「地盤調査報告書」または「これに代わる書類」の提出を求められます。したがって、地盤調査は義務に近い形で実施されることが一般的です。
また、調査結果によって地盤改良の有無や内容が変わるため、地盤改良工事にかかる予算はあらかじめ確保しておくことをおすすめします。どれくらいの金額を確保すべきかについては、住宅会社が地盤調査会社に土地の近隣データを取得し判断することがあります。
もし、気になる土地があって「地盤への不安から購入に踏み切れない」等で悩んでいる場合は、住宅会社に近隣データから地盤のアドバイスをもらえないか相談してみるとよいでしょう。
今回は、岩手県で災害リスクが減らせる土地の探し方についてお伝えしました。安心・安全な暮らしを実現するためには「頑丈な家」だけでなく「安全な土地」が必要不可欠です。
2000年に起きた阪神・淡路大震災では、地盤の弱さが原因で多くの住宅やビルが倒壊し、甚大な被害をもたらしました。この地震をきっかけに建築基準法の改正が行われ、平成12年以降、建物を建築する際には地盤調査の実施が義務付けられています。地盤調査には費用と時間がかかりますが、安全な暮らしを実現するためには欠かせない工程です。頑丈そうに見える土地でも地盤調査したら軟弱地盤だったというケースもあるため、必ず信頼できる専門業者へ地盤調査を依頼しましょう。
イエタッタ岩手では、岩手県に精通した地域密着型の工務店やハウスメーカーから自分たちにあった住宅会社を見つけることができます。新築をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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