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#みんなが教えてくれない大事な事

住まいの寿命について(物理的な寿命)

2023年08月03日

建てる前からいきなりですね~
でも知っていると未来の事が見えてくるので、住まいの寿命について書いていきたいと思います。
今回は「物理的な寿命」にフォーカスしていきます。
 

 
まずは結論から。
 
「住まいの寿命は約60年」
 
もちろん適切なメンテナンスを継続的に行って頂くことが前提です。
その根拠としては、基礎の寿命が挙げられます。
 
基礎の寿命が住まいの寿命に直結します。
 
住宅の基礎は初めは強アルカリ性の性質を持っています。
コンクリートの性質なんですね。
これが少しずつ外気にさらされて酸化していき、少しずつ中性化してきます。
その中性化が基礎の鉄筋(配筋)まで到達した時に「基礎の寿命」を迎えます。
中の鉄筋が約20%錆びついてしまった時ですね。
 
ちなみに昔の家はコンクリート基礎ではありません。
天然の石を基礎にしていたため、寿命が長かったんですね!
その代わり精度が良くは無いので、水平ではなかったり沈んでみたりしていました。
それでも良いと言えば良いのですが…
 
家の寿命を延ばすポイントとしては、基礎の表面から少しずつ進む酸化反応を抑え鉄筋を錆びさせるのを遅らせる事となります。
 
ではどのような方法が良いのでしょうか?
細かいことは誰かが書いていると思いますので、簡単にまとめていきます。
 
①コンクリートの密度を高くする
②基礎の厚み(被り厚)を増す
③正しく施工をする
④正しく養生をする
⑤基礎表面をコーティングする
 
 
こんなところでしょうか?
見た目が同じでも、内容が違えば耐久性も変わってきます。
ここでコストを掛けるか掛けないかは・・・価格次第ですね。
 
 
※①②⑤について、ジブンハウス標準仕様よりも各数値を高耐久仕様にする為のプラスオプションも可能ですのでご相談下さい。
 

 
では基礎以外の寿命はと言うと・・・
 
内部結露によって変わってきます。
 
結露計算という言葉を聞いたことはありますか?
住まいの内外での気温差と湿度差による壁の中での結露現象です。
 
ネットで溢れる情報はほぼ温暖地に関することが多いので夏をメインに考えている事が多いです。
夏の湿気の多い暑い時期には、外からそのまま入った空気が室内の冷房で冷やされて壁の中で結露を起こします。
そうすると壁の内部で水分が発生し、木材を腐らせてしまいます。
それを防止するために結露計算を行って、どこで外からの水分をシャットアウトするのかを決める必要があるんですね。
 
でも岩手県のような寒冷地では、夏よりは冬を基準に考えることが多いです。
冬に室内で暖められてうえで加湿した空気が外に出ようとしたとき、壁の途中で冷やされて結露を起こします。
それを防止するために室内側に気密シートを張ることが多いです。
ただし100%水分カットは出来ないため、誤って通ってしまった水分が内外どちらかに出る必要があります。
寒冷地では家の外側に水分が出るようにすると良いでしょう。
ですので、家の外と内の両方をしっかりと気密処理してしまうと、これも木材の腐りに繋がりますので要注意です。
 
また、木材が腐るとシロアリが喜んで来てしまいます
シロアリ被害防止の為にも、シロアリ防除対策をはじめ、木材の腐食防止を心掛けて下さい。
この点でご不安な事がございましたらご相談下さい。
しっかりと説明させて頂きます。
 

 
ちなみによく使う住まいの設備の寿命は約10年です。
常に更新して使っていくことを前提としているため、この更新に掛かる費用をしっかりと把握しておくことが大事です。
あまり使わなくても、部品が無くなって修理不可となるのが10年前後すぎ。
結局、付いている設備はしっかり使って、使い倒してしまうほうが満足度が高い傾向にあります。
建てる際にあれもこれもと豪華にしたけれども、経年での劣化更新により少しずつシンプルになっていく傾向がみられるのも設備の特徴です。
 
ちなみに、エコキュートの平均寿命は約12年と統計で出ています。
IHクッキングヒーターのグリルで毎日のよう魚を焼くと、5年前後で交換となるという傾向もあります。
 

 
あと長く使っていくためにも日頃のメンテナンスは欠かさないようにして下さい。
建てたら最後、何も手を付けないといった方も数多く見受けられます。
常にお手入れしてあげないと、どんどん痛んできます。
特に屋外の木部は毎年のメンテナンスが欠かせません
初めはおしゃれだからと取り入れた天然木材の外壁も、あっという間に色あせて腐っていきます。
メンテナンスが大好きではない方や、メンテナンスにお金を掛けたくない方には、それ相当の建材を新築計画時にお勧め致します。ご相談頂ければ幸いです。
 
でも、計画中は「絶対にメンテナンスする!」と思ってしまうんですよね・・・
デザイナーズ住宅やおしゃれな住まいの大きな落とし穴です。。
 
 
【まとめ】
長く住まいを使うために必要な事は
 
・建てる際の高耐久化
・結露計算による水分調整
・設備の更新を定期的に実施する
・日頃のメンテナンスを欠かさない
 
この辺りを中心に新築計画時から検討していくと良いですよ♪
 
 
 
 

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